佐藤友哉「鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)」

鏡姉妹の飛ぶ教室 (講談社ノベルス)
奇人狂人ぞろいの鏡家兄弟姉妹7人。その女性人のうち2人が通う中学校が大地震によって、液状化した地面へと沈んでしまった。追い詰められた空間で生き残ったものたちの愛憎青春劇。
ちょっとバトロワとかドラゴンヘッドっぽかったよ。出てくる人のほとんどが変人狂人。キャラ立ちしてるエンターテインメント。
それとともにしゃべり場よろしく価値観の言い合いがなされる。「弱者」と「強者」について。学力的な、体力的な、容姿的な、権力的な、強弱。強者は弱者に搾取されている。ならば弱者はどうすればいいのか。などなど。
その議論の積み重ねが最後の最後ですべてアイロニーになってしまう。物語内のキャラは「物語」における強弱の尺度によって運命付けられるしかないってことか。作者もひねくれてるのかもね。