「100回泣くこと」中村航
- 作者: 中村航
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
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言い回しとか、小道具の使い方とか、会話とか、いちいちうまいなぁ。それらがストーリーに豊かな意味と生き生きとした生活世界を展開してる。筋書きを骨組みに例えるなら、そういったひとつひとつがほどよい肉付きを与えてる。
でも、後半の展開はこの著者としてはちょっと意外だった。
使い古されたストーリーのテンプレートをなぞっただけの純愛、純粋な話の小説が最近多い。新しい感覚や光景を何も提供しない物語たち。そういったガリガリの骨だけの小説に対するアンチテーゼなのかもね。アンチテーゼって言いたいだけ。